債務整理後に消費者金融を利用できる?

重い借金から開放されて人生を立て直すきっかけにもなる債務整理。
しかし、債務整理後にはいったいどうなってしまうのでしょうか。
信用情報のキズなども気になるところです。
債務整理に関しての詳しい情報は、「債務整理とは?」で説明しています。

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過払い金請求も債務整理

じつは債務整理はひとつではありません。
たとえば過払い金請求をすることも債務整理の一種です。
過払い金請求にかぎっては債務整理後に信用情報にキズがつくようなことは一切ないので安心です。
しかし、問題はそのほかの債務整理です。
過払い金請求以外では、任意整理、自己破産、個人再生という3つの方法が存在し、その中でも注意したいのが自己破産です。


深刻な自己破産

債務整理のなかで、もっとも深刻となってくるのが自己破産です。
自己破産をすることで、すべての借金を帳消しにすることができます。
一見、借金を抱える人間にとっては非常に魅力的な仕組みになっているように感じますが、20万円以上の価値があると見なされた財産はすべて没収されてしまう可能性もあります。
信用情報にもキズがつき、債務整理後に10年ほどは消費者金融を利用することはできません。
これはちょうどブラックリストへの掲載が消えるのにかかるのと同じ時間です。
同様に個人再生でも10年、任意整理でも5年から7年は債務整理後に消費者金融から借入れを行うことができなくなると言われています。
自己破産をした後は、これまでのように金融機関を自由に使うことができなくなってしまうのです。

なぜ債務整理後に消費者金融を利用できないのか

債務整理後に消費者金融の借入れが不可になるというのは、確かにもっともなことです。
しかし、じつは法律によって定められているわけではありません。

債務整理後の借金を禁じる法律はない

自己破産のような債務整理後には、ある一定期間、取締役や後見人にはなれないように法律で定められています。
5年から10年もの長い間、債務整理後に消費者金融を利用できないというのも、そのように法律で定められているのでしょうか?

じつは、債務整理後に消費者金融から借入れを行ってはいけないという法律はありません。
消費者金融独自の基準で、債務整理後の人には貸付けは行わないと決めているところが多いというだけのことなのです。


債務整理後でも利用できる消費者金融もある

債務整理後にブラックリストへの掲載抹消を待たずして、消費者金融を利用できる場合もあります。
しかし、それはあくまでも稀なケースです。

銀行や大手消費者金融は難しい

やはり、銀行や大手消費者金融では債務整理後の借入れは難しくなっています。
とくに低金利のカードローンなどは、ブラックリスト入りしたことがある人をわざわざ顧客にしなくても、毎日数多くの新規申し込みを抱えている状態なので、見向きもされないことがほとんどです。

中小消費者金融ならばチャンスはある

一方、中小消費者金融ならば、債務整理後のまだブラックリストに入っている期間でも貸付けに応じてくれるところもあります。
やはり、大手に対抗していくためには新規顧客を増やす必要があるからです。

中小消費者金融は、ただテレビコマーシャルなどを展開する余裕がなく知名度こそないもののしっかりとした経営をしているところもあります。
一方で、ヤミ金も存在しているのも事実なので、しっかりと見極める必要があります。


ヤミ金かどうかを判断するには

初めて聞くような業者がヤミ金かどうか判断するにはどうすれば良いのでしょうか。

貸付額に注意する

もし正規の消費者金融ならば、貸金業法にのっとった営業をしているはずです。
したがって、利用者の3分の1以上の貸付けを行うことはありません。
もし、分不相応の額を提示されたら、ヤミ金と思って間違いありません。
早目に警察等に通報するようにしましょう。

債務整理の真っ最中の借入れはNG

以上のように債務整理後に利用できる消費者金融もないわけではありません。
しかし、さすがに債務整理中の借金はおすすめできません。

借金は債務整理後に

弁護士や行政書士に債務整理を依頼していて、手続きをすすめている最中に新しい借金を重ねたとしましょう。
場合によっては、弁護士や行政書士が辞任してしまうことさえありますし、その後の交渉に非常に不利になることは間違いありません。
債務整理中の借金だけは絶対にやめましょう。

……いかがでしたでしょうか。
じつは債務整理後に利用できる消費者金融もあるというのはあまり知られていないかもしれません。
しかし、利用はあくまでも計画的に、債務整理で人生を立て直そうとしていることを忘れないようにしましょう。